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上映レポート

  • 監督特集プラス2『あるいは佐々木ユキ』3月17日

    「福間健二監督特集プラス2」5日目は、長篇第4作『あるいは佐々木ユキ』(13)を上映しました。

    まさしく、アイドル、コミック、ポエトリー、ファンタジー!
    「若い女性が真ん中にいる映画の決定版を作ろうと思った」という福間監督、盛況の客席で楽しそうに見ていました。
    トークゲストは、ユキこと小原早織さんとユキBこと川野真樹子さん。2011年1月の撮影のときから9年以上経過したいま、お二人ともますますチャーミングです!

    まず、客席でみなさんと一緒に見た川野真樹子さんが「空の色がとてもきれい。光と影が印象的。テキストの引用も含め、光の織物だという気がしました。自分にとって、とても大事な作品になっている。20歳の自分、もがいていた時期でした」と語りました。

    上映後に駆けつけた小原早織さんが「カメラの(鈴木)一博さんの黒が深くて好き。音も気持ちいい。ぼーっと見ていて、いい気分になる」と話すと、川野さんは「この映画の早織さんが好き」と。そして二人とも撮影のときの寒さについて語りました。

    この夜はいつもより静かな福間監督、お二人に出会えた幸福を語ったあと、小原さんの「目ヂカラ」の話題には「アジアの少年や東ヨーロッパで会ったロマの男の子の目だと思って撮った」。そして「役者さんたち、ときには演じるよりもそこに存在してくれたらいいってことを、早織ちゃんを撮りながら確信していった気がする」。

    川野さんも、小原さんも、女優を職業として選びませんでした。川野さんは、大学院で演劇の研究をしています。小原さんはいま、CM制作などのプロデュース業。でも、福間映画には出演しつづけています。新作『パラダイス・ロスト』では、ふたたび佐々木ユキとして登場。さまざまに変貌する姿を見せてくれます。

    客席との質疑応答のあと、川野さんは「まだ見ていない『パラダイス・ロスト』がとても楽しみ」。小原さんは「福間ワールド、フワフワしたところからしっかり地面に立ってきた気がする。あっ、でも今度はそうでもないかな」と、決めないではじめる「佐々木ユキ主義」のしなやかさ、健在でした。

    「監督特集プラス2」、あと2日。ミカエル・アース監督の『サマーフィーリング』と小原さんも出ている『秋の理由』です。どうぞ、見に来てください。
    (宣伝スタッフ 吉祥寺の娘)

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