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上映レポート
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2020.3.16監督特集プラス2『岡山の娘』3月15日
「福間健二監督特集プラス2」第2日は、福間監督長篇第2作『岡山の娘』(08)を上映しました。
日曜日の夜は客足がよくないのでは、と心配していた福間監督。埋まった客席にホッとした様子で、語りはじめました。
『岡山の娘』は、撮影中におこった「事件」のために脚本の変更をよぎなくされ、毎朝早く起きて、その日に撮るものを書いた号外を作ったそうです。そのおかげで自由度が増していき「なんでもありの大胆さを、半ば追いつめながら目ざした」。本当に、なんでもあり! 実にさまざまの、意外性をもった要素が、自由に持ち込まれている作品です。撮影に使ったパナソニックのカメラAG-HVX200と仕上げで使ったMacの編集ソフトFinal Cut の威力に驚いたという、ちょっと専門的な話も。そのあと、この作品に関わったスタッフとキャストのほとんどが、それまでにもこのあとも長篇映画の制作現場に足を踏み入れない「アマチュア」だったと語り、そのことがもしかしたら作品の鮮度をいつまでも保っているのではないか、と。
客席からの質問「詩が他の作品以上に断片的に入っていますが」。
「ヒロインみづきを演じた西脇裕美の声で流れる二つの詩は、この作品のために書き下ろしたもの。三角みづ紀さんの詩をはじめ、他の詩人の作品は遠慮なく入れて、強引な飛躍を可能にするようにしたかな」客席からの質問「福間さんの映画には『街』が重要な役割を果たしていますね」。
「そうですね。とくに『岡山の娘』の岡山市は、自分が5年間住んでいたところ。そこにずっと住みつづける人たちとも通過する旅行者ともちがう視点で撮れると思いました」。困難なことの続出した、暑い暑い夏の現場。「これを乗り切れば、このあとなんだってやれると自分に言い聞かせて必死にやったんだけど」と福間監督。
その先の、『わたしたちの夏』(11)以降の作品群は、どういうものになったでしょうか。「監督特集プラス2」はさらに続きます。どうぞ、見に来てください! (宣伝スタッフ 吉祥寺の娘) - >> 記事一覧へ