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上映レポート
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2020.3.17監督特集プラス2『わたしたちの夏』3月16日
「福間健二監督特集プラス2」4日目は、2011年の『わたしたちの夏』を上映しました。
今日の福間監督は、西荻窪の本屋ロカンタンでのイベントのため不在。ゲストに主人公・千景役の吉野晶さんと、千景の友人・まり子役の松本雅恵さんを迎えてトークしていただきました。久しぶりに『わたしたちの夏』を見た感想について、吉野さんは「今まで気づいていなかった小さな部分が見えてきて、それがおもしろかった」と語り、松本さんは「みんな若かったですね!」と。二人が共通して強調したのは「小原早織さん演じるサキちゃんが、ほんとにかわいい‼︎」。そのあとは、撮影裏話が明かされていきました。
劇中のまり子の家は、今は取り壊されてしまった吉野晶さんの家で撮影したのですが、本来モノトーンの室内を、いかに「まり子の部屋」らしくするかで、ダイソーに行って派手目の小道具選んで買ってきて、それをセッティングしたと言います。それがすごく楽しかったと。そのころの福間組は(今もほとんど同じです!)、美術スタッフもいないので、役者自らがセットするという状況、それをしっかり楽しんでやってくれたお二人でした。
その日は、まり子のおじさんである千石先生(千石英世さん演じる)と三人で呑みながら語るというシーンを撮影しました。千石先生がテーブルの上に台本を置いたまま本番に入ろうとするので、「それはちょっとまずいよ」と忠告したにも関わらず、千石先生はテーブルの下にメモを置いたままの撮影だったそうです。また、まり子役の松本さんを推薦してくれたのは、実生活でも友人である吉野さんですが、面接した福間監督は即OKして、30分後には一緒に飲みに行ったそうです。飲み会は、この撮影にはつきもので、まり子の家のシーン撮了後も、そのまま「まり子の家」でキャスト・スタッフ全員で大宴会となりました。
天使的存在Aとして登場する室野井洋子さんのシーンは、これまでも多く語られてきましたが、芝居的にからむのは唯一吉野さんだけ。「心身ともに芯のある人だと感じました」と吉野さん。でも「この日もやっぱり、室野井さんも一緒に飲み会しましたね!」。
室野井洋子さんは2017年に亡くなりましたが、『パラダイス・ロスト』で、三たび映像で「参加」してくれています。そしてまた、まり子が歌うシーンも、その声とともに深く記憶に残っています。
トークの最後に、なんとまり子さんが再現!
松本さん、10年が過ぎても変わらず、すばらしい歌声でした!
吉野さんが、「サキちゃん」主演の『あるいは佐々木ユキ』と、新作『パラダイス・ロスト』を、ぜひみてくださいと観客のみなさんにすすめてくれて、トークは笑顔のうちに終了しました。
北風の寒さが戻った夜にいらしてくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。スタッフが、松本さんの歌に聴き惚れて、写真を撮り忘れました!
ごめんなさい! 劇中の「千景さん」でご勘弁を。特集はあと3回。17日『あるいは佐々木ユキ』、18日『サマーフィーリング』(ミカエル・アース監督)、19日『秋の理由』と続きます! どうぞよろしく!
(宣伝スタッフ 吉祥寺の娘) - >> 記事一覧へ