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上映レポート

  • 横浜ジャック&ベティ上映レポート

    横浜ジャック&ベティ 初日舞台挨拶

    8月1日土曜日、長かった今年の梅雨が明けたこの日から、横浜ジャック&ベティでの『パラダイス・ロスト』上映がはじまりました。ジャック&ベティは『岡山の娘』以降の福間映画をずっと上映してもらっている横浜の老舗映画館です。
    毎月1日は映画サービスデーでもあるので、今日は劇場の外にもお客さんが待っています。
    福間監督がロビーに入ると、梶原支配人が「満席ですよ!」と笑顔で迎えてくださいました。コロナ感染防止対策で、席数は半分に減らされているとはいえ、補助席にも5人ほどの方が座って、まさに満席という風景です。15時5分、上映はスタート。場内が暗くなって、さあこれからというときは、いつもドキドキしますね。

    そして17時前、上映終了と同時に、舞台挨拶です。今日は主役の亜矢子役の和田光沙さん、亜矢子の夫で死者として登場する慎也役の江藤修平さん、そして福間健二監督の三人。和田さんは始まったばかりの夏にふさわしくゆかた姿です! 三人とも、劇場が用意してくれたフェイスシールドをつけての登壇です。

    まず福間監督が「横浜の初日、みなさんよく来てくださいました!」と挨拶しました。
    「たくさんの方に見てもらえて、ほんとうにうれしいです」と和田さん。
    そして、江藤修平さん。
    「今日は少し早く着いたので、お茶を飲みながらパンフレットを読み直していました。これから夢をどうとりかえすのか、という監督の言葉がまさに今にリンクしていると思いました」。
    和田さんもまた、コロナの不自由さがまさに始まろうとしていた3月のアップリンク吉祥寺であらためて見たとき、人にやさしく寄りそう映画になっていると感じたと言います。

    死者、それも踊るシーンまである死者について、福間監督は江藤さんに「幽霊のようである必要はない。死んでからの方がすることがあるのでは」とアドヴァイスしたとのこと。
    江藤「ふつうに生きているように登場する死者は初めて。死者の生身ですよね。やっているときは死んでることは考えないで、余計なものは背負わずにやりました」。
    和田「亡くなったあとの方がその人を強く思う、というのはそうかもしれないと実感した」。
    福間「死者にもやることはあるので、この世に来てください、と思った。でも江藤くんはいい男すぎる、顔が良すぎるのでちょっと心配だったけど、結局はいい死者になったと思う」。
    江藤「そう、死んでからの方がやることはある。生きているうちは自分のために行動するけど、死んでからはまわりの人を気遣うことができる、愛を注ぐことができる、そう思ったんです。死んでからが楽しみになりましたね」(客席、笑)。
    「踊ったあと、『母さんのことよろしくね、父さん』の、死者の言葉がよかった。江藤さんは声がすてきですよね」と和田さん。
    「ゆかた姿でフェイスシールドというのは、なんかシュールだなあ」と江藤さんが和田さんに返すと、場内が沸きました!

    「公開からもう半年近くになるけど、コロナの困難のなか、こんなに大勢の方に見てもらえて、ほんとうにありがたいです。どうかぜひまわりの方に勧めてください」と和田さん。
    「2回見てください。いろいろな違うものが見えてきて、より心に届いてくる映画です。ぜひ2回目を!」と江藤さん。
    そして福間監督は「この映画の公開をとおしてして、コロナだけでなく、不安がつきまとうこの世界の状況で、いまこそ受けとめてもらいたい作品になったとつよく感じています」と伝えました。
    和田さんからの「わたしも出ている豊田利晃監督『破壊の日』も、ジャック&ベティで同時期に上映してますので、こちらもよろしく」でシメました!
    客席から熱い拍手をいただいて、舞台挨拶は終了しました。

    さてロビーでは、購入いただいたパンフレットへのサインです。テーブル二つ分の幅をとって密を防いでの態勢で、うれしい感想も聞かせてもらえました。
    ジャック&ベティ、これまでと変わらず、観客もスタッフもあたたかく親密な劇場です。
    観てくださったみなさん、スタッフのみなさん、ありがとうございました!

    8月7日(金)まで上映は続きます。
    3日(月)からは19時20分スタートですので、お間違えなく。
    どうぞよろしくお願いします!

    宣伝スタッフ 若葉娘

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