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上映レポート
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2020.3.21アップリンク吉祥寺公開初日 舞台挨拶
2020年3月20日(金・祝)、福間健二監督最新作『パラダイス・ロスト』は、ついに公開の日を迎えました。19時20分の開場と同時に、続々とお客さんが入ってきて、なんと満席!
熱気にあふれるなかで、上映が始まりました。そして上映後、舞台挨拶です。主要キャスト5人と監督が、拍手で迎えられて壇上に立ちました。左から、福間監督、慎也役の江藤修平さん、翔役の我妻天湖さん、亜矢子役の和田光沙さん、ユキ役の小原早織さん、講平役の木村文洋さん。
まずは福間監督「今日の初日が無事に来るのかずっと心配だった。こうして公開できて、大勢の方に見てもらえて、ほんとうにうれしい。みなさん、ありがとうございました!」と挨拶。
それから、5人のキャストにそれぞれの役作りや苦労話について語ってもらいました。死者として「存在した」亜矢子の夫慎也を演じた江藤修平さん。
「この役にどう取り組むのかわからなくて、言われるがまま、だったけど、この作品の世界のひとりになれたらという思いでした。こういう役は初めてだったから、戸惑うことしきり。詩を読むこと、福間さんの朗読も聞いて相談したら、プレスリーみたいにとか言われて、えっ!?
後半の踊るシーンで初めて、監督にいいねと言われました」。
場内は大笑いです。慎也の異父弟、翔を演じた我妻天湖さん。
「福間映画に出たのは偶然でした。通っていた予備校の夏のイベントで講義した福間さんに初めて会って、それから次の映画で予備校生に出てほしい、予備校自体も出てほしい、というようなことから出演することになった。台本をもらって、その中のいくつかは自分で考えて率直に話すように言われた。愛についてとか世界についてとか、どう言ったらいいか。だって、そんなことは普通言わないですよね。だからずっと家で考えていました」。
客席には、なるほどねー、と頷く人たち。この映画の軸となる亜矢子を演じた和田光沙さん。
「これまで読んだことのないような脚本で、どういう映画になるのか、具体的なことがぜんぜんわからなかった。監督には、迷ったら和田さんでいてくれ、と言われたけど、自分そのままでやるというのは難しかった。これまではどちらかというと激しい役をワーっとやることが多かったので、普通の女性、どうやったらいいのかなあと思ったりもして」。福間映画常連で、「佐々木ユキ」のその後を演じた小原早織さん。
「初めて福間映画に出たのは10年前。そのときは福間監督のやり方、よくわからなくてもどこかあきらめるような気持ちで、なんとか役になれた。それからはあまり気にならず、自然にやれたけど、今回みなさんがしっかりやってるのがすばらしいと思った。撮影中はわからないことがたくさんあるけど、完成した作品を見て、ああそうだったのかとわかってくるんです」。そして、映画監督であり、劇中でも自主映画の監督講平を演じた木村文洋さん。
「『秋の理由』から再び『パラダイス・ロスト』出演依頼を受けて、断ればいいのに、なぜか断らずにやりました。福間映画のロケ場所は、監督が住んでいる国立や国分寺がほとんどで、その狭いなかの細かい場所をよく探して撮っている。なかなかないことです。まるで散歩でもしているように楽しかった。この映画は死者を感じさせるもので、死に別れた自分の身近な人や場所を意識させる。その人たちが生きてまだそこにいる、というような実感がありました」。キャストそれぞれの胸の内を聞いて、福間監督は感慨深げに話しました。
「みんなしっかり考えてる人たちと出会えた。だからその人のいいところが出ればいいと、あらためて教えられた。それぞれからいいものが出せればよくなる、そう思いました。この5人だけでなく、今回のキャスティング全員に、一緒にやれたことを感謝しています。会って楽しくなる、そういう現場でした」。
と締めくくりましたが、その前に5人への、それぞれの戸惑いや不満をどうぞ言ってください、といういささか能天気な言葉もあって、場内は爆笑でした!客席からの大きな拍手を受けて舞台挨拶は終了。そして写真撮影の後はパンフレットを手に長蛇の列をなしたとお客さんへのサイン会と握手で、熱気はつづきました。
初日を満席にしてくださったみなさま、アップリンク吉祥寺のスタッフのみなさん、ほんとうにありがとうございました。
(宣伝スタッフ 吉祥寺の娘) - >> 記事一覧へ