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上映レポート
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2020.3.17「映画と恋と女たち」今泉力哉監督 vs 福間監督 at 本屋ロカンタン
3月16日の夜、J R西荻窪駅から徒歩6分の本屋ロカンタンで、「福間健二監督最新作『パラダイス・ロスト』公開記念」イベントとして、今泉力也監督と福間監督によるトークショーが行われました。
題して「映画と恋と女たち」。
店内は満員。コロナウイルスの影響下、ほんとうに実現するかと危ぶまれたこの企画。店主萩野亮さんの、換気をはじめとするお客さんへの行き届いた心配りが光ります。萩野さんの司会で、『パラダイス・ロスト』予告篇上映からスタート。
今泉監督が、スクリーナーで見てきたばかりという『パラダイス・ロスト』について語りました。「ここまでの福間作品とのつながりが見えてくるのがおもしろい。前に出ていた人が変化しているのがわかったりして。本筋はしっかりあるけど、その他の部分が普通じゃない」。そして「和田光沙さん、いいですね。福間さんとは初めてですか。そんなふうに思えないです」という今泉監督の言葉から、意外性たっぷりの、俳優論、演技論が、二人の間で展開されました。「福間作品は、リアルや自然さを追求すると同時に反対の、踊りやファンタジー的要素が自由に入ってくる。それがすごい」。
スタッフとキャストのあり方へと話は展開。さらに「映画はもっともっと自由にやるべきだ。いろんなやり方がある。それを若いときに出会った60年代の映画で知った。ゴダールから学んだのは、普通NGだとされるものがそうじゃないってこと。オーケーの幅を広くするってことです」と福間監督。
休憩後の後半は、福間監督による今泉力哉論から。「一年に何本も作品を放つ。それがぼくの憧れてきたことです」としたあと、『愛がなんだ』から最新作『街の上で』までについて、「遠くから見れば、今泉ワールドとして同じように見えるかもしれないけど、一本一本違うものがある。力点の置き方が違う。今泉力哉の『力』の力点です」と会場のみなさんを笑わせました。
福間監督は、朝から考えてきたこととして、「今泉作品で、いいのは、人物が記号的じゃないってこと。一人一人がちゃんと『その人』なんです」と語りました。そして「愛の作家だけど、ロマンティックじゃない。いや、甘くないロマン主義ってことかな」。
映画にまつわる興味深い話の数々。残念ながらここに書ききれません。お二人がたがいに共感しあっているところ、そこに映画の未来が開かれているとつよく感じました。
最後に今泉力哉監督の最新作『街の上で』の予告篇上映。5月1日より新宿シネマカリテほかで公開です。どうぞ、みなさん、『パラダイス・ロスト』とともに『街の上で』にもご期待ください!(宣伝スタッフ 西荻坊主) - >> 記事一覧へ